ずっとふわふわしている旅

旅した場所の街並みの写真

「どこか遠出してみたいな」と思っても、「ここ」という場所はすぐには思い浮かばず、行動に移さないまま日にちだけが過ぎていた矢先、パートナーと行きたい場所が重なったので、そこをめざすことにした。

日常の生活圏内から圧倒的に離れた場所に行くというのは、とにかく非日常感がすごい。定期的に実家に帰ることはあっても、それは自分が育ち、家族がいる場所だから、正直なところ特別な感情というのはほとんどない。

でも、初めて行くとなる街は別だ。当たり前だけど、初めての街並みにお店、そこで暮らしている人たち、何もかもが新鮮に見えてくる。

今回の移動は電車で。東京から離れれば離れるほど、ビルやマンションみたいな人工物が減って、木々や海などの自然しか見えないのは何とも心地よい気持ちになれる。しばらく揺られていると、窓越しに海が見えてきた。

電車の窓越しに見る海の写真
電車から見た海の写真

まだ夏を残しつつ、季節は秋へと向かっていて、海の色も心なしか少し濃く感じる。冬になればもっと重く深い青になるのだろう。

空と海を存分に眺められる光景に贅沢さを感じてしまうのは、都心のコンクリートジャングルに埋もれた生活をしているからこその虚しさがある。

そうしているうちに今回の目的地に到着した。だだっ広い駅にキレイだけれど人がいない駅前の様子は、どこの地方も同じようなものかもしれない。パートナーと決めていた場所に向かい、楽しい時間を過ごしながら一日を終えた。

ホテルの部屋の写真
ホテルの部屋から見る町並みの写真

実は旅で一番好きな瞬間が、宿で朝を迎えて目が覚めた時だ。

変わってると言われるだろうけれど、いつものアパートの部屋じゃないところで目覚め、「ここはどこだ?」と一瞬寝ぼけて、自分がいる現在地を頭で考えるのは、いかにも「旅」という感じがする。

カーテンを開ければ、昨日初めて宿の部屋に入って見た時と同じ景色が広がっている。

ホテルの部屋の写真
自分が履いている革靴の写真

毎回思うのは、せっかくの遠出だから、予定外の場所もたくさん探したくなるので、履き慣れた靴で行くのが一番大事なのかも。

あと、僕が旅に欠かせないのが本だ。イラストレーターの安西水丸さんが書いた『たびたびの旅』は、国内外の色んな場所から届く安西さんからの手紙のような作品だ。

安西水丸さんの著書『たびたびの旅』の写真

今はいくらでもすぐに情報が拾えて、何でも分かってから行動に移せるけれど、本当の意味で記憶に残るのは、自分の足を動かして目にしたものだけだ。

だから遠出する時は、調べるという行為を最小限にするようにしている。そうすると思いがけないお店や人とも出会いやすくなる気がする。

それがいわば自分だけの「旅」になる。

決してガイドブックやネットには載っていない自分だけの体験や時間。それを何よりも大事にしたいなといつも思っている。

こうしてたった一泊二日だけど、パートナーと一緒だから、そして自分だからこそのちょっとした旅を楽しむことができた。

電車の中の座席の写真
帰りの電車から見た景色の写真

旅への気持ちが募ったまま重い腰でいるより、「エイヤッ」と電車に飛び乗り、どこかに向かってしまうくらいがちょうどいいのかもしれない。

またどこかに行きたい。

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