仕事でもプライベートでも車に乗る機会が増えた。
特にプライベートでは、彼女と二人で車に乗って近くや遠くに出かけている。
運転するのはいつも僕。運転が上手とか下手ではなく、彼女は「ド」がつくほどのペーパードライバーなのだ。
運転しない、つまり無事故無違反だからピカピカのゴールド免許である。
最近更新に行ってきたと言って、そのゴールド免許をドヤ顔で見せてきた。
「でも、どうせ運転しないでしょ?」といたずらっぽく聞くと、「どうなってもいいなら運転するよ」と、ウソか本当かわからないテンションで言うものだから、僕は怖くて彼女にハンドルだけは握らせたくない。
車のなかでは音楽をかけることが多い。ポップ、ロック、ラップ、ピアノ、アンビエントとか、気分や時間にも合わせて、スマホに入っているアルバムから選んで流している。
でも、音楽だけじゃなくて、二人ともラジオが好きだ。
ラジオを聴いていると、その時々の番組で話している内容について、二人であーだこーだと話している。特に視聴者からのメッセージ系はおもしろかったり、それどうなの?と思ったりするような話もあって、MCが話すたびにそれに対して答えている。
運転中は座っているだけだけど、時間が長くなってくると腰やおしりのあたりが痛くなってくる。
それだけじゃなく、交差点や合流のときは他の車の流れを見る必要もあるし、好きだけれど運転は精神も使う行為だ。
事故を起こさないように集中していると言葉数も少なくなる。
そうして帰り際、ふと助手席を見ると、そこに座る彼女は目をつむってすやすや寝ている。
最初の頃は「自分(彼女)は運転しないからって寝るのかい」と思っていたけれど、今は違う。
僕の運転に安心しているから寝ているんだなと思うと、それはそれで悪い気分はしなかった。
怖かったら運転中に横で眠るなんてできない。自分の命をその人とハンドルに預けるのが怖いからだ。
でも、彼女は安心しているから寝ている。
僕のことを信頼してくれているし、運転自体も下手ではないからそうなっているのだろう。
ただ、その寝顔を見ているといたずらしたくなって、「今寝ていたでしょ」と聞くと、ハッと目をさました彼女は「寝ていない」と答える。そうしてまた寝るときもあれば、そのまま一緒に話すこともある。
せっかくなら、一度くらいは彼女に運転を任せて、僕は助手席で寝てみたいなぁと思う。
でも、それはきっと難しい話だから、僕がハンドルを握り続けるだろう。
一緒にいる時間や年数が増えるとそこに信頼も積み上がっていく気がする。
その信頼を壊さないように急がず焦らず、安全運転で車でのお出かけをこれからも楽しみたい。
喫茶七色|akira