用事があって、月末に愛知県に行こうと思っている。
その昔、僕はとある大学に通うために、愛知県には約4年近く住んでいた。
大学の友人と遊ぶ以外に、アパートの近くにあるいろんなお店の方やお客さんたちと仲良くなり、今もその関係が続いている。
行く前にはできるだけ連絡を取り、お世話になった方に会いに行く。
もちろん、別の用事があって愛知県に行くわけだけれど、それは建前であって、本当は会いたい人たちに会えるのが嬉しい。
みんな喜んでくれるので、僕も嬉しくなる。ほとんどが、もうかれこれ10年以上の関係になっている。
大体はお店で再会となるから、当時の雰囲気や想い出がそのまま蘇ってくる。
僕だけじゃなくお客さん、マスターにママさんも等しく10年分の年齢を重ねている。
以前よりも白髪やシワが目立ったりと、僕自身も含めてみんな見た目は変化しているけれど、根っこの部分、話し方とか相づちの打ち方とか、珈琲の飲み方とかは変わっていなくて、僕はなんだか安心する。
実家を出て大学に入学し、知らない土地の一人暮らしは不安も大きかった。
そんなときに支えてくださったのは、大学の外で出会った大人の方々だった。新しい街で出会った人たちとの関わりが、自分に自信だったり安心だったりを与えてくれたと思う。
そういう恩義も大きいし、僕が関わりたいのもあって、これまでのご縁をなかったことにするのは絶対にしたくない。
そして、愛知県に行くのも近くなってきたので、僕はお世話になった方々に、電話をかけたりメッセージを送ったりしている。
皆さんから返ってくる連絡には「楽しみに待ってるよ!」「気をつけてきてね!」と記されており、どういうスケジュールで会いに行こうか手帳とにらめっこをしているところだ。
お互いに離れて暮らしているなかで、今もこうして関係が続くのは本当に嬉しい。
「ご縁に感謝」
ただこの一言にすべて尽きる気がする。
喫茶七色|akira