雨が冷たくて、いっそう秋の深まりを感じる。日が暮れるのも早くて、こういう夜はいつもの喫茶店に行きたくなる。
決まって足が向くのは、夜はお酒も飲めるから、バーのようなスナックのような、そんな喫茶店である。
飲んでいると続々と見知った顔の常連さんたちがカウンターに集まり、お互いに楽しく話してたらいつの間にか長居していて、すっかり閉店時間になってしまった。
もう一杯の連続で少しだけほろ酔い気分。
何十年この街に暮らす常連さんとママさんの今昔物語が最高におもしろかった。
今は〇〇というお店だった場所にあったラーメン屋の話。みんなそのラーメンが大好きだったけど、今はもう食べられない想い出の味になっていて、好きな理由はそれぞれ違えど、話が共通して盛り上がっているのがステキだった。
僕はもうすぐ引っ越す予定があってこの街を離れるけれど、ステキな人や場所がたくさんあって、この街で暮らすことができて本当に良かったと改めて思える一夜だった。
喫茶七色|akira